2011年1月探訪
貴祢谷社(きねがだにしゃ)
貴祢谷社(きねがだにしゃ)

鎮座地:三重県南牟婁郡紀宝町鵜殿


紀州熊野 貴祢谷社略記

御祭神
熊野速玉大神
熊野夫須美大神
家津御子大神

御神徳
現世安穏(家内安全・業務繁栄・願望成就)、縁結び、樹木・食物の守護の御神徳高い
御由緒
 神代の頃に新宮の神倉山にお降りになった熊野神が、約2500年前にここにお移りになり、速玉大神、夫須美大神、家津御子大神の三柱の神を二つの社殿に祀っていたが、約2000年前に、この祭神の内、家津御子大神が本宮へ移られ、約1900年前に、熊野神が新宮へお移りになった。この時に鵜殿諸手船(もろとぶね)が神幸船を先導し奉ったことが伝えられている。(熊野権現御垂迹縁起・帝王編年記・扶桑略記)
 このような御由緒から千数百年このかた私たちの生活の中に精神的なよりどころとして、代々の人々の崇敬を今もなお受けている。 境内からは古墳時代末期頃(約1500年前)から鎌倉時代頃(約700年前)までの祭祀用の古い土器も出土し、熊野地方とくに鵜殿村にとっては神倉山に次ぐ古い祭祀遺跡で最も貴重な文化財である。

貴祢谷社保存会  昭和54年4月吉日 

- 以上 境内案内板ママ -


写真

上 貴祢谷社参道と御神体

左 古代から中世にかけて熊野川河口を本拠にした豪族、鵜殿氏一門の墓。最近ここに集められたのでしょう、貴祢谷社御神体の横にあります。御神体の前にはないのに、墓の前に賽銭箱があるのはどうしてでしょうか?


 貴祢谷社(きねがだにしゃ)といっても知っている人は少ないでしょうね。その御由緒を読むと熊野本宮大社より500年前、熊野速玉大社(新宮)より600年前より熊野三柱をお祀りしていたと云う由緒正しきところ、熊野信仰の発祥の地ともいえるところです。和歌山県と三重県の県境である熊野川の河口、新宮の町の対岸の三重県側にあります。地名は鵜殿、弁慶の生誕の地という話もあるようですがそれはさておき、熊野三神がお祀りされている貴祢谷社の参道へ入るには、熊野川沿道にある矢渕中学校の校庭を横切るか、鞄比谷生コンさんの工場敷地内を通らせて頂くしかないようです。住居不法侵入になりますが暗黙の了解があるのでしょう。もしご心配でしたら、あなたが犯罪者にならないように紀宝町役場にお問い合わせをするとよいでしょう。紀宝町というのは海亀が産卵に来る町として有名です。平成16年7月に、「紀伊山地の霊場と参詣道」として、「七里御浜」、「熊野川」、「御船島」の町内3ヶ所が世界遺産の一部として登録されています。熊野川河口の鵜殿から熊野市まで続く七里御浜を見ると日本というのはこんなに美しいところだったんだとあらためて感動します。この海岸を開発という名の破壊から守り、手付かずで後世に残してあげたいものですね。

紀宝町役場
〒519-5701. 三重県南牟婁郡紀宝町鵜殿324番地
TEL:0735-33- 0333. FAX:0735-32-3061
 
交通

三重交通バス
JR新宮駅バス停・権現前バス停(熊野速玉大社近く)より新町行き矢渕下車
JR鵜殿駅前より新宮駅行き矢渕下車
矢渕バス停は矢渕中学校の前

徒歩・車
熊野速玉大社より徒歩15分。
熊野大橋を渡り右折、熊野街道(ルート42)を熊野川沿いにJR紀勢本線の鉄橋の下をとおりすぐ。

 ヤフーやグーグルの地図には載っていない秘密の神社です。(2011年2月現在))

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