2009年9月13日・14日
役の行者にお呼びいただきました。

犬鳴山七宝龍寺・槙尾山施福寺・大峰山寺
   元もとの予定では、9月12日13日の予定で吉野から大峰への奥駈け。
 仕事で、友人の先達が行けなくなり、その上、今回初めて大峰へ行くというニューフェイスは流行の風邪で寝込んでしまった。これが幸いした。12日は、久々に大雨、行かなくて良かったのです。
 翌13日(日)、天気良好お参り日和。
 小耳に挟んでいた犬鳴山七宝龍寺の護摩供へ行くことにした。
 犬鳴山七宝龍寺は、近畿36不動尊、役の行者霊蹟等の霊場札所。本日は『ボケ除け不動尊祈願・韋駄天将軍大神祈願紫燈大護摩供』。
 犬鳴山バス停から、渓流のせせらぎと法螺の音を聞きながらのんびりと写真をとりながら山頂へ。 途中、かわった仏様をみつけました(写真)。
 11時頃本堂手前の護摩壇に到着。
 が、まさにその時、本日の護摩供養の行事はすべて終了。
 本堂にお参り。ご本尊は役行者の自作による倶利伽羅大竜不動明王(秘仏)。
 ご真言は、「のうまく しっち しっち そう しっち しっち きゃららやくえんさん まま しっち あじやま しっちそわか」。
 いつもお世話になっている近畿36不動尊大先達のO先生にご挨拶。このO先生の講で、毎月一度近畿36不動尊にお参りしています。このときは、バスで本堂近くまで行くので、それほど歩くこともありません。足に自信の無い方でも参加していただけるので一緒にお参りしましょう。参加ご希望の方はメールにて連絡して下さい。O先生にお弁当を頂き犬鳴山を後にしました。

 バス、JRと乗り継ぎJR和泉府中駅へ。ここの駅員さんに槙尾山行きのバス乗り場は何処ですかと聞くと、この駅には無いので、一度和泉中央までバスで行きそこで乗り換えてくださいとのこと。でも、少し離れたところに2番乗り場というのがあるのです。駅員さんは知っていて遠いから親切でそう教えて下さったのか、2番乗り場の存在を知らなかったのか?親切なら、乗り換えるとその分バス代が余計にかかるので逆に不親切というものですね。そこからバス、コミュニティバスと乗り換え、西国33観音霊場槙尾山施福寺へ。
 始めに、バス停すぐ前の満願滝にお参り。滝には、弘法大師、役の行者、愛染不動明王、白龍大神、子安観世音菩薩、滝の横に弁財天が祀られています。
 ご真言は、弘法大師『南無大師遍照金剛』、役の行者『おん ぎゃくぎゃく えんのうばそく あらん きゃ そわか』、愛染不動明王『おん まからぎゃ ばぞろ うしゅにしゃ ばざら さとば じゃく  うん ばん こく』、弁財天『おん そらそばていえい そわか』。
ここから山道を登って行きます。途中、山門、大日堂をすぎ愛染堂(弘法大師剃髪の霊蹟)でお参り。ご真言は『おん うんだき うんざうん しっち そわか』。あれ、さっきの満願の滝の愛染さんとご真言が違うやないですか。とお思いのあなたへ。先ほどの満願寺、宗派が分からないので真言宗系のご真言を唱えましたが、こちら施福寺は天台宗のお寺。この愛染堂も、前に弘法大師の像が立っていますが、天台宗のご真言になります。???
 この愛染堂の横に細い道があります。きっと近道に違いないと勝手な思い込み。上っていくといつか見た風景。そう、これは、弘法大師が求聞持秘法を修したという女人禁制の虚空堂ではないですか。本堂はパスしてしまったようです。何度か来ているので良かったのですが、初めてだとこのまま本堂目指して先へ先へと進んで行くところでした。当然、本堂には着かない。教訓、知らない山道は、標識のあるメインストリートを歩きましょう。
 以前は、この虚空堂の中は荒れるにまかされていましたが、きれいになっていました。
 こちらの本尊は虚空蔵菩薩。ご真言は『なも あきゃしゃげるばや おんありきゃ まりぼり そわか』。いや、空海が求聞持秘法を修めたのですから、真言宗風に『のうぼう あきゃしゃきゃらばや おんありきゃ まりぼり そわか』でもいいでしょうか。
 ここから、ハイキング道を少し戻り本堂へ。歩き始めて写真を撮りながら約50分でしょうか。
 先に本堂の裏にお祀りされています馬頭観音様へ。ご真言は、『おん あみりとう どはんば うん ぱった そわか』。
 この上に、大師堂と不動明王護摩堂があります。
 大師堂『南無根本伝教大師福聚(ふくじゅ)金剛』、護摩堂『なまく さまんだ ばさらなん せんだ まかろしゃな そわたや うんたらた かんまん』。
 本堂はご本尊は秘仏のため、拝顔出来ず。秘仏十一面千手千眼観音。ご真言は『おん ばさら だるま きりく そわか』。
 本堂には 十一面千手千眼観音・弥勒菩薩・文珠菩薩・裏に廻ると、 馬頭観音・方違観音を安置しているらしい。残念ながら私は馬頭観音以外拝顔したことがない。
 ここで、秘仏ご本尊の写真をご紹介。お寺さんの許可をもらって撮影したということです。
 『ぎゃるまま日記 槇尾山 施福寺〜槙尾山ハイキング』
 すごうい写真でしょう。女性のパワーには勝てません。
 一通りお参りを済ませて、境内端の見晴らしの良いところに展望写真を取りに行くとそこにある茶屋のメニューが目に飛び込んできました。このお店、コーヒーや食べ物も街中よりも安いくらいの良心的価格。京都のお寺さん境内の茶店に見習ってもらいたいものです。お寺の境内ではありますが、お酒やビールもあります。しかし、私、お参りに来たので左様なものはいただくわけにはいきません。すみません、「泡茶下さい」と喉を潤していると枝豆と酢の物のお接待。下山してバスに間に合うぎりぎり の時間までゆっくりとさせていただきました。「ありがとうございました、また、泡茶をいただきにお寄りさせていただきます」。
 バス停までの下山は30分かからないくらいでしょうか。

 一日に二山お参りということで、久々の山歩きで疲れはてて帰り着くと、役の行者さんはそれぐらいでは修行とは認めてくださらないようで、『明日、J山(洞川)へ行くけど』という話。
 同乗させていただけるということになり急きょ大峰山行きが決定。

 翌日9月14日も天気良好お参り日和。大峰山登山口発菩提心門の前まで車で送っていただきました。
 大峰山には毎年一度は必ず登っています。昨年は戸閉めの日でした。今年は、縁が無かったとあきらめていましたが急遽の大峰参り。
 平日ということで、ほとんど登山者は無し。私の前に小学校低学年くらいのお子さんをつれた父子。このお子さん、山歩きに慣れているのでしょう、写真を撮りながらの私よりずっと歩くのが速い。普通ぐずぐずいう年齢でしょうが、文句一つ言わず笑顔で歩いています。修行の成果でしょうか、小さいのに人間が出来ている。ところで 平日なのに学校は?
 参道を歩いていると、昨日山上に泊まった人たちが下山してきます。
 『ようお参り』。『ようお参りです』。これがこのお山で人と会ったときの挨拶です。行事のときや日曜日など、たくさんの人が山に登っているときは、この挨拶だけで大変です。
 前から、一人の若い修験者が下ってきます。『ようお参り』。すれ違いざま、腰に刀をさしているのに気が付きました。『どこの手のものじゃ』。思わず呼び止めて写真を撮らせていただきました。この若者、かなりのイケメン。刀は「ちゃんと登録済みなのでホームページに写真をつかっても大丈夫です」と言っておられました。ありがとうございました。(写真ご入用のときはご連絡下さい)。
 山上の大峯山寺本堂(世界遺産)では、7・8名の人を連れて行場の案内を終わってのお勤めなんでしょうこちらも若いイケメンの修験者のかたに御一緒に納経させていただきました。どこの修験の方か、鈴掛を見ただけでは私にはわかりませんが、お経が、早い、派手、かっこいい。法螺と錫杖も入ります。法螺は、吹くだけでは無く、口を敲いて音を出したりもする楽器です。私もなぜか法螺を持っていますが練習をしなくてはいけませんね。
 ご本尊は、金剛蔵王権現。ご宝号『南無山上大権現』。 ご真言『おん ばさら くしゃ あらんじゃ うん そわか』。
 ということで下山をして洞川の龍泉寺に参拝。龍泉寺の本尊は弥勒菩薩。ご真言は『おん まいたれいや そわか』。

 最終のバスの出るのが、私の記憶では昨年より1時間遅い。これはゆっくり出来て助かります。
 が、今回は去年の記憶を頼りに来ているので時間があまります。いつも寄せていただくお好み屋で時間つぶし兼腹ごしらえ。今日は、道中の茶屋がすべて閉まっていたので、朝出がけに喫茶店のモーニングをいただいただけでお腹ぺこぺこ。
 ここで、お好み屋の大将から大峯山や洞川のいろんな話を聞きます。お山に登る人が高齢化し、最近、お講にも参加者が居なくなって存続の危機にさらされているとか。もっと若い人にたくさんお山に来てもらわなくては、大峯の 法灯も危うい!?
 う〜〜ん、成る程。
 思っているよりお山は結構楽しいですよ。私は大峰山を、『大人の遊園地』と呼んでいます。
 若者たちよ、来年は一緒に参りましょう!メールで連絡して下さい。もちろん、おじさんもね。

行った事の無い方の目安になるでしょう時間の記録を記しておきましょう。
 
 大峰山登山口発菩提心門 10:15
 一の茶屋 10:45着 10:50出発
 役の行者お助け水 11:15着 11:20出発
 洞辻茶屋 11:35着 11:40出発
 ここから、大峯山寺まで3〜40分。
 (私の場合はここからカメラおじさんになるので大峯山寺着が13:00でした)
下山
 山頂13:20出発 登山口発菩提心門着 15:20
 ゆっくり歩いて丁度2時間でした。
 そこから、洞川の龍泉寺までは徒歩約一時間です。

注記 上記で大峯(大峰)山と書いていますが、正確には山上ヶ岳です。
 途中、トイレ、自動販売機などはありません。茶屋が閉まっていると山上まで飲み物もありません。途中のお助け水に水があるとは限りません。
   5月3日 戸開式  9月22日 戸閉式
   (5月3日から9月22日までの間、大峯山寺に参拝できるということです。)

犬鳴山にある天力地蔵菩薩。
隣に十字架があるので
キリスト教系宗教団体のお地蔵様?
でも、入口には鳥居があるし、狸の置物も。

 
 

本日の護摩供養の主尊、韋駄天尊。
ご真言 おん すかんだ そわか

 
 

満願の滝に祀られている弘法大師と役の行者。
お大師様は岩屋で、行者さんは扉つきの祠。

槙尾山施福寺の愛染堂(弘法大師剃髪の霊蹟)

 

施福寺境内にあるゆたか茶屋

 

ゆたか茶屋のメニュー。ひやしあめ200円。

 

ゆたか茶屋前の展望

 

大峰山登山口の遥拝所。
ここまでは、女性も入れる。
木々の間に遠く山上ヶ岳が見えている。
あそこまで、歩いて登るのかと思うと大変。

 
 

どうです、イケメンでしょう。
杖を見ると結構年季が入ってます。
年に一度の私よりもずっとベテラン。

 
 

山にはおいしそうなきのこがたくさん。
食べる事が出来るのかは知りませんが。

日本三大荒行で有名な『西の覗き』

 

手前が『西の覗き』の崖です。

 
犬鳴山七宝龍寺
犬鳴山真言宗 大本山
葛城二十八宿修験道根本道場
大阪府泉佐野市大木8
江戸時代、大和大峰山の七十五靡修行を「金剛界修行」葛城山脈の二十八宿修行を「胎蔵界修行」とし、それぞれが峰山伏には必修の修行場とされていました。犬鳴山は、「葛城二十八宿」その第八品、また、葛城二十八宿の奥の院として、元山上と称されてきました。
交通アクセス 南海本線泉佐野・JR阪和線日根野より、犬鳴山行きバス終点

槙尾山 施福寺
まきのおさん せふくじと読みます。通称槇尾寺(まきおでら、まきのおでら)。
役の行者が法華経一部八巻二十八品を書写し葛城の峯々に安置し(葛城二十八宿)、如法峯に最後の巻を納めたのが巻の尾(まきのお)の名前の由来。
交通アクセス
バス停南海本線 泉大津・和泉中央・JR阪和線和泉府中〜南海バス槙尾山口行き
南海高野線 河内長野〜南海バス横山高校前下車乗り換え
槇尾中学前バス停下車
槇尾中学前よりオレンジバスに乗り換え 終点槙尾山登山口
そこから施福寺まで徒歩30分

大峯山寺 交通アクセス
近鉄吉野線下市口駅より奈良交通バス洞川行き終点下車。
そこから、登山口まで徒歩約1時間。タクシー会社がバス停近くにあり。

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