2009年9月1日
紀伊勝浦参拝記

   三井寺参りの帰り、食事をしようと京都xx駅に降り立つと金券ショップ表の看板に『青春18』と書いてあるのに目を惹かれる。ばら売り(一日分残っている)で3千円也。『遠方の観音さんが呼んでいますか』と思い迷わず購入。JR利用で一番遠いところ。一番青岸渡寺。当日大阪を出発すると、行き帰りとも普通列車を乗り継ぐ青春旅行はかなり時間的に難しいというより無理。その足で和歌山まで行っておくことにしました。

 9月1日、晴天、参拝日和。『おじさん18』旅行のはじまり始まり。
 和歌山駅 6:06発
 紀伊田辺乗り換え 7:53発
 紀伊勝浦着 10:17
 そこから熊野交通バス。次の便が11時だというので久々に勝浦の町を探索。昔のまま特に変わったところはなさそうです。『まぐろ丼』の店が町のいたるところにあるのですが、一軒『まぐろの目玉』をだしている店を見つけてチェック。いまだかつて 只の一度だけ、それもこの勝浦の某ホテルで食べた『まぐろの目玉』のその美味は私の中で幻想化している。大阪でも『まぐろの目玉』を注文して食べたことはあるのですが、単なる『まぐろのカマ焼き』でショックを受けたことがあります。野球ボール大の目玉をスプーンで食べるのが『まぐろの目玉』という料理です。帰りには必ず立ち寄らねば・・・。
 とりあえず、弁当を買おうと勝浦駅に戻るも『秋刀魚寿司』は11時頃でないと入荷しないとのこと。ここで妥協は許されない。食事はしばし我慢することにしてバスに乗り込み青岸渡寺に向かう。

勝浦駅前

 
 

参道階段

   
   ここで、もっとも効率の良い参拝の方法をご紹介しておきましょう。
 バス終点の『那智山神社お寺前駐車場』(勝浦駅から25分)まで行き、そこから土産物店の建ち並ぶ参道階段を上って行きます。世界遺産・神仏霊場巡拝の道 和歌山3番札所『熊野那智大社』に参拝、すぐ横の世界遺産・西国33観音霊場第1番『青岸渡寺』に参拝し、三重塔の横から『伏し拝み』の鎌倉積み石段を下ると那智の滝のある『飛瀧神社』。『飛瀧神社』参拝の後は、バス終点の『お寺前駐車場』に戻ると、世界遺産熊野古道『大門坂』へ下る道があります。『大門坂』を下ると大門坂バス停に出ます。 普通に周って2時間くらいのコースでしょうか。熊野那智大社からは、ずっと下り道の楽チンコース。これを、反対に大門坂から『熊野那智大社』・『青岸渡寺』・『飛瀧神社』と周ると登りが多くなり結構大変です。今回私は、 奥の院という看板を見つけてどこの奥の院か気になり、今は駐車場になっている廃寺の『那智山瀧見寺』という中国系寺院の写真を撮ったりしているうちに予定の時間が無くなり大門坂をカット。『飛瀧神社』の前で300円の『かけそば』を食べ一路那智へ。

 JR那智駅から2・3分のところに世界遺産『補陀洛山寺』があります。かつてのここの御住職さんは、外に出られないよう釘で打ち付けられた補陀洛渡海舟に乗り観音浄土をめざして舟出をしたということです。人里離れた辺境のお寺。『補陀洛渡海』という一大イベントで寄付を集めたようです。捨身行なので当然現在では行われていません。当時、逃亡したお坊さんも多数いたようです。『補陀洛山寺』本尊は秘仏の『千手観世音菩薩』。納経の人に『すごく綺麗になりましたね、私が前に来たときにはぼろぼろの仏像がずらりと内陣正面にならんでいて写真を撮らせていただきました。』というと、20年前(1990年 建替え)に本堂を建て替える以前の話でしょうと言っておられました。そんなに、来ていなかったのですね。最近は、バスツアーで来ることが多いので『補陀洛山寺』に立ち寄ることはないですからね。今度は何時来れるのでしょうか。隣にある浜の宮王子社跡の『熊野三所大神社(くまのさんしょおおみわしゃ)』にお参り、那智駅14:32発のバスに乗り勝浦へ!15:44発の電車に乗らないと 普通列車では家に帰り着けません。猶予は一時間。勝浦に着くと一目散に『まぐろの目玉』食堂に向かいます。が、なんとなんとなんと無常にも、14:00〜17:00まで休憩中の看板が・・・。町中歩き回って『まぐろの目玉』のある食堂を探しますが残念ながら見つからず時間切れ。仕方が無いので、行きに買えなかった駅前の『さんま寿司』を買いに行くとなんとなんとなんと今度は売り切れ御免。今日は生ものに縁の無い日、殺生はいけませんよとこれも観音様のお導き、『めはり寿司』を買い込み帰りの列車に乗り込んだのでした。
 今度はお参りではなく、世界遺産観光(行くところは同じ)で来て、絶対『まぐろの目玉』でビールを飲むぞ!と固く観音様に誓ったのでした。

 写真を撮らせていただいた熊野詣の女人様。ありがとうございました。
 写真ご入用でしたらお渡ししました名刺の電話かメールアドレスにに連絡をください。アップで写っている写真もあります。元サイズ(3000x2000ピクセル)の写真データ(JPEG)をメールでお送りさせていただきます。

『熊野那智大社』
 主祭神 熊野夫須美大神・(本地仏)千手観音
 二礼二拍手一礼
 御真言  おん ばざら だるま きりく

『青岸渡寺』
 如意輪観世音菩薩
 御真言  おん ばらだ はん どめい うん
 御詠歌 「補陀洛や岸打つ波は三熊野の那智のお山にひびく滝つ瀬」

『補陀洛山寺』
 千手観音立像(三貌十一面千手千眼観世音菩薩・重要文化財)
 御真言  おん ばざら だるま きりく

『熊野三所大神社(くまのさんしょおおみわしゃ)』
(明治の末に補陀洛山寺より分離)
 御祭神(国指定重要文化財)
 熊野三所権現〔くまのさんしょごんげん〕(本地仏)
 那智の夫須美大神(千手観音)・本宮の家津美御子大神(阿弥陀
 如来)・新宮の速玉大神(薬師如来)の三神

<熊野三山世界遺産構成資産>
熊野本宮大社(くまのほんぐうたいしゃ),熊野速玉大社(くまのはやたまたいしゃ),熊野那智大社(くまのなちたいしゃ),青岸渡寺(せいがんとじ),那智大滝(なちのおおたき),那智原始林(なちげんしりん),補陀洛山寺(ふだらくさんじ)
「那智大滝」は、国指定の名勝
「那智原始林」は、天然記念物
「熊野参詣道 中辺路」「熊野三山」国指定史跡


 

熊野那智大社

 
 

青岸渡寺 熊野詣の平安人(へいあんびと)

 
 

『伏し拝み』の鎌倉積み石段

 
 

飛瀧神社と那智大滝

 
 

那智山瀧見寺(廃寺)

 
 

補陀洛山寺の補陀洛渡海復元舟

   
   

熊野三所大神社

   

那智の海岸 ここから補陀洛へ