2009年4月27日
 花満開の石山寺

 
   今日は、役所へ行く用事があり用件を済ませたのが11時前。どの道早く終わるだろうとリュックには経本、袈裟、数珠とカメラ。お金は無いが、スルット関西の乗り放題チケット。遠くへ行かなきゃ元がとれない。ということで、観音正寺へ向かいました。といっても、私鉄しか乗れません。近鉄沿線にいましたので、とりあえず近鉄電車に乗って京都へ向かいます。
 スルット関西で、私鉄を乗り継いで行けるのは石山寺まで。そこからJRに乗るつもりだったのですが、時間的にもう2ヶ寺行けるのでは・・・。京阪大津から三井寺(天台寺門宗総本山園城寺)に向かうことにしました。三井寺正面からでは無く、裏の中坂世継地蔵の坂を上るとすぐに三井寺観音堂。ついた途端に雨がパラパラ。ご本尊の?「そろばんの碑」なぞをカメラに収めていると、どうも雲行きが怪しい。とりあえず、観音堂にお参り。三井寺観音堂のご本尊は如意輪観世音菩薩。御真言は、『おん はどま しんだまに じばらうん(天台宗系のご真言)』。はい、みなさん御一緒に。
 三井寺には、広大な敷地に多数の堂塔が建ち並んでいるのですが雨が降り出したので退散する事にいたしました。
 商店街のアーケードで雨を避けて歩いていると京阪大津駅に到着。ちょうど、雨も止みそうな気配。時間ははまだ午後2時、石山寺へ向かうことにしました。石山寺を、お参りだけで済ませて観音正寺へ向かうつもりです。京阪石山寺駅で傘をお借りして、お参りだけで帰ろうと急いで石山寺へ向かって歩いているうちに雨も上がりました。
 さて、石山寺に着いて観音堂へ上がる階段の下まで来ると小さく、ほんとに小さく菖蒲園の標識があるではありませんか。葛藤です。話が飛びますが、『かっとう』ってどうして『葛藤(くず ふじ)』と書くのでしょうね。きっと、葛(くづ)も藤もつるが入り組んでもつれているところからなんでしょう。それはさておき、ええと、、そうそう菖蒲園の標識を見て迷いが生じたわけですよ。葛藤ですね。結局、自称カメラマンの乱れ打ち。迷いに打ち勝てず、菖蒲園のある『無憂園』方へと足が向いてしまったわけであります。いずれアヤメかカキツバタ。花菖蒲も含めて違いが判らぬおっさんです。キショウブだけは色で判ります。花は少しだけ咲いていました。まもなく、満開の時期を迎えるのでしょう。
 カメラに黄菖蒲などを収めいざ本堂にお参り。『無憂園』、憂い無き園へ行ってきたのだから、迷いはふっきれたかと、いえいえまだ急げば間に合う。本堂に向かっていると、う〜ん、今度は牡丹園?葛藤です。結局、本堂の横を通り抜け上へ。多宝塔の快慶作、重要文化財大日如来にお参り、御真言は『おん あびらうんけん ばざら だどばん』。はい、皆様ご一緒に。そこから、少し歩くと葛藤のすえに『藤』が勝利したようで、藤棚に満開の花が。こうなってはもうどうしようもありません。時間に糸目はつけないぜ(意味不明)。藤の次には、躑躅(つつじ)や皐月(さつき)が。私、違いの判らない男。どれがつつじでどれがさつき?赤、白、ピンク、百花繚乱。すばらしい。そして、いよいよ牡丹園、花満開です。
 紫式部の像(手にお数珠をはめていらっしゃるのは、落ちていたお数珠をお客様がはめていったのか、お寺さんのなせるわざか、はたまた・・・)なんぞと考えながら歩いていると境内の端に到着、行き止まり。まわりに、人影はなし。あれ、何か忘れていませんか。そう、お参りしていません。もう一度山を登り、まだ見ていないお花はないかと探し、月見亭から瀬田川を眺め、めかくし石に平安時代の昔を思いながら本堂へ。こちら、紫式部が源氏物語を書いたところ。石山寺のご本尊は三井寺観音堂と同じ如意輪観世音菩薩。御真言は『おんはんどめい しんたまに じんばら うん』。石山寺は真言宗のお寺。観音様におまいりの後は御影堂へ。こちらでお大師様にご挨拶、『南無大師遍照金剛』。
 帰りには『あせり』が無くなっていたのでしょう。行く時には気づかなかった御水屋。龍の口からお水が出ています。その後ろにはなんとなんとなんと不動明王様が目を光らしていらっしゃる。りっぱな石の手水鉢には、『當願家正洗漱手口内外清浄菩提心』と彫られています。
 帰りは、石山寺からバスに乗ることにしました。バス停の横にお寺の名前を彫った石碑が建っているのですが、なんとなんとなんと金ではありませんか。すごい!  私の乗り込んだバス、入口のドアが壊れていて石山寺駅に着いてもドアが開かずお客様には後ろのドアから下りてもらっています。それに見とれて自分が降り損なってしまいました。結局終点の石山駅まで。そこで、いろいろ事件があったのですが、長くなるので一つだけ。お腹が空いたので、駅前の100円マックを購入し歩道橋の上を歩きながら一口食べた途端手にガツンとすごい衝撃がはしりました。一瞬何があったか咄嗟の事でわかりません。前を見ると、翼長1m近い馬鹿でかいトンビが 悠然と飛び去っていきます。鷹かもしれません。手を見ると無い、なけなしのお金で買った私のマックが!トンビにマックをさらわれたのです。70円返せ〜!そこで持っていた傘を振り上げて気づいたのです。石山寺駅でお借りした傘です。返しに行かなければ。きっとさっきのトンビは「傘を持って帰ってはなんねえ」というお不動さんのお使いでしょう。手にすごい衝撃があったわりには無傷。石山寺を出る時にお不動さんの目が光ってましたものね。京阪石山駅の駅員さんにその旨伝えると、「うちも(当駅でも)一緒ですからここへ置いていってかまいませんよ」との事、助かりました。時間は、そんなこんなで4時半。本日はこれにて打ち止め、今回も足の向くまま気の向くままの乱れ打ちとあい成りました。

追記 石山寺では、ご本尊の御開帳中でした。本尊如意輪観音は33年に1度の開扉と、天皇即位時の開扉以外は公開されることがない秘仏だそうです。 5月31日まで。次回は、2009年9月1日〜12月16日まで。日本最古の多宝塔(国宝)の 中にある重要文化財の大日如来像は外側の扉が開かれ、格子戸からその御姿を拝見することが出来ました。

いずれアヤメかカキツバタ

 
 

藤棚

 
 

何の花、ほんとに小さなお花が一面に!

 
 

何れつつじかさつきかな

 
 

牡丹園

 
 

紫式部

 
 

瀬田川

 
 

本堂 源氏の間

 
 
石山寺
西国三十三箇所観音霊場第13番札所
滋賀県大津市石山寺1-1-1
TEL:077-537-0013
拝観時間 午前8時〜午後4時30分(入山は午後4時まで)
JR東海道本線「石山駅」下車。
京阪バス「石山団地」行き、「新浜」行き、「大石」行き、「南郷二丁目東」方面行き石山寺山門前バス停下車。
京阪石山坂本線終点「石山寺」

三井寺
西国三十三箇所観音霊場第14番札所
滋賀県大津市園城寺町246
拝観時間 午前8時〜午後5時
JR東海道線「石山駅」下車。
京阪石山坂本線「三井寺駅」、「別所駅」。

 

手水鉢と不動明王

 
 

バス停横の金の寺銘碑

 

 

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